「お茶と酒 たすき」
「お茶と酒 たすき」京都は京都府内に3店舗を構えるカフェグループです。
京都のカフェって「老舗の純喫茶」「和菓子屋さんが経営するイートイン系」「町家改装系」とか面白いお店が沢山あります。
京都の純喫茶と言えば「イノダコーヒー」ですよね。よー太郎的には京都のイノダコーヒー、名古屋のコメダ珈琲、東京の銀座ルノワールが3大コーヒー店チェーンと認識しているんですが、イノダコーヒーは関東の人にはあんまり知られてないみたいです。
「お茶と酒 たすき」はそのどれでもなく、まるで代官山のカフェみたいなおしゃれなお店なんです。
こんな感じ。
宣材写真用に特別に撮影したわけでもなく、このモデルさんが座ってる席でお茶を楽しめるんです!
「お茶と酒 たすき」を運営しているのは株式会社スープストックトーキョー。このコンクリート打ちっぱなしの漢字とか、デリカッセンのようなメニューとか端々にそのエッセンスを感じます。
お店に行ってみました!
今日お邪魔したのは烏丸御池駅近くにある新風店。新風館は、1926年「旧京都中央電話局」をリノベしたレトロモダンなホテル&商業施設。
設計したのは数々の重要文化財、登録有形文化財を設計した吉田 鉄郎。当時の外観はそのままに、緑豊かな中庭が設けられ、温かみと陰影のグラデーションが美しい施設になっています。
外観はこんな感じ。
店内ではカフェメニューのほかに、わずかにアンティークの食器なども売られています。
台湾とかもそうですけど、こういうアンティークとデザインが融合したカフェって観光客からするとたまらりません。
壁の上部はこんなかんじ。
お茶と酒 たすきの羊羹「YO KAN KA」とは?
「お茶と酒 たすき」が手掛ける羊羹「YO KAN KA」(ヨウカンカ)は”フランス菓子をベースに持つパティシエがあえて羊羹作りの技法を踏襲することなく、独自の解釈で作り上げた”とのこと。
なるほど、この説明を聞いて「羊羹か?」と問い返してしまうところから「YO KAN KA」という名前がついたのかもしれません。
とりあえず、持ち帰って後日いただくことに。ちなみに、「YO KAN KA」の賞味期限は恐らく羊羹業界最短の2週間。お土産羊羹だと思っていると痛い目をみます。
買いました!
スーツケースの中に入れていたので、ちょっと袋がぼろぼろになってしまいました。
お菓子に同封されていた説明書き。
ブログを書くうえでこういうのが入っていると非常にありがたい。
YO KAN KAは全部で「苺とミルクのヨウカンカ」「ラム酒と70%チョコレートのヨウカンカ」「ピスタチオとホワイトチョコレートのヨウカンカ」「柚子と杏のヨウカンカ」「チーズとパンのヨウカンカ」の6種類あります。
それぞれにおすすめのペアリング(飲み物)が載っているので、今回はそれに合わせてみたいと思います。
※2021年8月には「マンゴーとマンゴーのヨウカンカ」「ココナッツとパインのヨウカンカ」が加わりました。
パッケージはこんな感じ。
3つの羊羹が2重になって6つ入っています。
お店で買った場合には中身をカスタマイズすることができるので、好みに合わせて選ぶといいですね。
お酒飲むときにはチーズとピスタチオ、チョコレートなんかを多めにするとか。
個人的には「赤ワインと無花果のヨウカンカ」が好みでした。
早速実食しました!
「YO KAN KA」の実食レビュー
全体的にふんわりとした柔らかさ
舌で潰れるくらいの滑らかさで寒天感はほとんどありません。
苺とミルクのヨウカンカ
あまおう苺を使用した羊羹。甘酸っぱい苺の味わいに、練乳の甘みとまろやかさで子供人気が出そうな味わい。
プチプチとした種の食感もアクセントになっています。
結論:いちごジャムっぽいです。
ラム酒と70%チョコレートのヨウカンカ
お酒が入った羊羹。生チョコのような柔らかさ。一口食べると、コーヒービーンズのようなしっかりしたしたダークチョコの苦味を感じます。
70%もあるチョコレートの主張がかなり強めですが、パサついた感じはなく、餡がやわらかい食感に貢献しています。
さっと口の中で液体に変わる感じがこれまでの羊羹とは違うところですね!
ラム酒のアルコール感は口の中ではあまり感じませんが、食べ終わった後味にほんのりアルコールの香りが舌に残ります。
結論:チョコレートっぽい。
ペアリング:ウイスキー
ラム酒と70%チョコレートのヨウカンカにはウイスキーが合うそうなので、家にあったジョニ黒を出してきました。
ウイスキーと一緒に口に含むと、ねっとりしたヨウカンカがサッと口の中でとろけます。
それからウイスキーの苦味とチョコレートの苦味が交じり合ってナッツのような香ばしさが。
ただ、アルコール度数が強すぎて繊細な風味が消えてしまっていたので、ウイスキーはロックよりも水割りとかのほうが良かったかもしれません。
チーズとパンのヨウカンカ
一番好き嫌いが分かれるヨウカンカ。
袋から出した瞬間に、結構強めなチーズの匂いが漂ってきます。それも、クリームチーズとかスライスチーズとかのマイルドなやつじゃなくて、チェダーとかブルーチーズとかのゴリゴリのやつ。
正直、チーズあんまり食べないのでちょっと躊躇したんですけど。(水羊羹食べたばっかりだったし)
食べましたとも。
しっかりとした香りの割には、チーズの塩味は意外に感じません。甘みもほかのものに比べると大分弱め。
肝心の「パン」は水分を吸ったクラッカーのようなものがところどころ入っています。
・・・パンは入れなくてもよかったんじゃないでしょうか。
クランベリーとか干しブドウとか栗とかでよかったと思いました。
ペアリング:赤ワイン
チーズの癖が強めな感じがしたので、しっかりめの赤ワインを用意しました。
甘味、酸味が少なくて、そこそこ渋みのあるワインはよー太郎の好みでもあります。
結論から言うと、この組み合わせは意外に良かったです!
赤ワインの渋みが口の中の塩味とチーズのクセを一気に洗い流して、バターのような乳製品の滑らかなコクが後味に残ります。
チーズとパンの羊羹。
単品ならなしですが、赤ワインありきならアリです。
ワインバーで600円くらいするんだろうな…というくらいマッチします。
赤ワインと無花果のヨウカンカ
干し無花果のようなあまくねっとりした香りがします。
柔らかい無花果の甘さと種のプチプチが良いコントラストになっています。
オーク樽のようなドライフルーツの風味とほのかに感じるワインの酸味が相まって、ジューシーな干しブドウのような味わいです。
どちらも主張しすぎない味わいなので、ヨウカンカの中で、一番餡子感を感じる気がします。
ペアリング:赤ワイン
ペアリングに使ったのは先ほどの赤ワイン。
濃いめの赤ワインと合わせるとドライフルーツに酸味と水分が加わってフレッシュな果肉感が広がります。
ピスタチオとホワイトチョコレートのヨウカンカ
ホワイトチョコレートの風味にピスタチオの食感、それに滑らかな白餡が加わってふんわりした味わいに。
ピスタチオの香ばしさとオイリーな後味が、ちょっとオレオのクリームみたいな感じもあります。
ペアリング:コーヒー
ペアリングはコーヒーがよいとのことだったので、某深煎りコーヒー店のテイクアウトコーヒーと一緒にいただきました。
ピスタチオの香りとホワイトチョコレートの香りに香ばしさが加わって「ホワイトホットチョコ」みたいな感じに。
コーヒーはエスプレッソとかでもいいかもしれあません。
柚子と杏のヨウカンカ
柔らかく柚の皮がたっぷりはいった羊羹の中に、杏のシャキシャキした食感がアクセントに。
アンズは、あんみつの上に載ってるくらいですから白あんとの相性も抜群。
後味に白餡の余韻を感じます。ゆずジャムっぽいですが、スッと引く甘さです。
ペアリング:ハーブティー
ハーブティーって書いてあったので、カモミールティーと一緒にいただくことに。
正直、カモミールティーとの相性はあまりよくありませんでした。
「東方美人」「文山包種茶」「鉄観音茶」みたいな中国茶を薄めでいただくほうが合っているかもしれません。
まとめ
「フランス菓子をベースに持つパティシエが、あえて羊羹作りの技法を踏襲することなく、独自の解釈で作り上げている。」というだけあって、羊羹のエッセンスはあまり感じられませんでした。
よー太郎が考えるに、羊羹の神髄って、「どれだけピュアな餡(呉)を作ることができるか」「どれだけギリギリまで煮詰めることができるか」だと思うんですよね。
鍋とへらだけで、柔らかさとか食感とかを調整するっていう所がほかの和菓子にはない技術が求められるんですよ。
YOKANKAは新しい和菓子として、そういう、研ぎ澄まされたところを感じられるお菓子になってほしいなと思います。
ちなみに、お店に伺った時には、まだ暑かったのでかき氷もいただきました!
お茶と酒 たすき 新風館店
電話: 075-744-1139
住所: 京都府京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館 1F
営業時間: 11:00~22:00
定休日: 基本なし(新風館に準ずる)
公式ページ

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