西谷堂 京羊羹界のおばんざい的存在「でっちようかん」【京都府】

ようかん紹介

西谷堂は明治二十五年に創業した(一般的には)老舗です。

名物の丁稚羊羹は、小麦粉を蒸し固めた蒸し羊羹タイプのもの。

京都や滋賀県では丁稚羊羹といえば蒸しタイプのものを指しますが、三重県や福井県では水ようかんタイプのものを指すようです。(大阪は半々でお店によって異なるイメージ)

そもそも、丁稚羊羹とは、練り羊羹よりも砂糖や小豆の量を減らすことで「丁稚さん」でも簡単に変えるようにした羊羹全般を指すのだそうで。量を増すための方法が小麦粉だったり寒天だったりというのにお国柄が出るのでしょう。

本店は、新京極の「たらたら坂」のそばにあります。当時の、新京極は京都座(昭和38年に閉館)、花月劇場、松竹など歌舞伎から映画館までそろったエンターテインメントの中心であり、西谷堂の丁稚羊羹はその定番土産として親しまれていたといいます。

というものの、本店が新京極にあるなんてことはまったく知らなかったため、堀川の工場兼店舗を本店だと思って訪れたのです。けれども、本店と間違っても仕方のないたたずまい。清潔感のある店構えを見てしまっては本店と間違えても仕方ありませんよね。

と、このブログを書くときに自分を納得させました。

西谷堂の「でっちようかん」はビニールで包まれたものがデフォルトなのですが、お願いすれば写真のような封筒状の包みに入れてくれます。

私が西谷堂を訪れたときは、プレーン、小倉、黒豆の3種類しかなかった。(あるいは、気が付かなかった)のですが、本当は栗、金時豆、宇治茶、ゆず、さつまいもなど全部で11種類あるのだそうです。(ゆずは季節限定)

本店に行ったら全種類制覇できるかもしれません。

当日、購入したのはプレーンのでっちようかん、大納言、黒豆の3種類。ベースは全部一緒で上のトッピング的なものが異なるようです。


冷やしていたので、ちょっとラベルがふやけていますが、賞味期限は2週間ほど。蒸した生地は蜜分が少ないので、ビニールから取り出すときに、生地がくっつく、あるいは潰れてしまうので、周りを温めて再度冷やすとするっと取り出すことができます。(ぴったりとくっついているので包丁でビニールを切るのも難しいです)

もっちとした歯触り、日本橋長門の「切り羊羹」のようにもっちり感がありながらも、きめの細かい餡が口の中でさらっと溶けます。

ぽくぽくとした触感があり、食べ応えも十分。雅な紅色の練り羊羹や飾り羊羹のイメージが強かった京都の羊羹ですが、この丁稚羊羹はまるで京都の町屋で供される「おばんざい」のようにほっとする優しい味わい。

甘さは控えめですが、ほんのり温めることでしっかりと甘味を感じられます。やや固めのほうが好きな方は袋から出した後で再度、冷蔵庫で冷やすといいかもしれません。

甘味や後味は控えめなので、ほうじ茶のように渋みが少ないお茶が合うと思います。



芯まで甘味の染みた小豆がのった大納言。小豆の皮の食感がなくなるほどやわらか。


何個か切ってみたのですが、どうしても豆を寸断することができませんでした。

お正月の黒豆のように柔らかく煮た黒豆をトッピングした黒豆。大納言に比べて豆の占めるボリュームが大きいので、食べ応えがあります。

柔らかくねっとりと炊かれた黒豆は、皮のほのかな渋みが後味に香ります。

京都では黒豆を使ったお菓子をよく見かけますが、個人的にはここのねっとりとした黒豆はかなり高評価でした。

西谷堂(本店)

電話: 075-221-5564

住所: 京都市中京区新京極三条下ル石橋町16

営業時間: 12:00~20:00

定休日: 基本なし(新風館に準ずる)

公式ページ http://nishitanido.co.jp/index.html

堀川今出川東入工場店 (工場併設店舗兼ショールーム)

電話: 075-451-2666

住所: 京都市上京区今出川通小川東入下ル南兼康町344

営業: 9:30~18:00

定休日: 年中無休

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